震災対策

成果

①帰宅困難者対策

区内企業・大規模商業施設等と連携して普及・対策を行う。

①帰宅困難者支援施設の設置（避難所とは別）	11ヶ所指定
②帰宅困難者支援施設の周知	区のHP、災害時区民行動マニュアル、災害時帰宅困難者行動マニュアルの地図に掲載。
③帰宅困難者への情報提供	世田谷区のツイッターの開設。
④帰宅困難者支援施設への備蓄品の配備	3000人分の水・食料・アルミブランケットを備蓄。今後、備蓄物資の追加購入する予定。
⑤従業員用3日分＋10％の備蓄品の区内企業への周知	関係部署と連携して働きかける。
⑥災害対策本部が設置される区役所への備蓄品の配備	食料・水・毛布など3人分の備蓄品を配備する。区役所の井戸も整備。
⑦小中学校への備蓄品の配備	児童生徒用の追加備蓄の検討、教職員用の3日分の備蓄品を行った。
⑧帰宅困難者避難訓練	Twitterを使い、実施

②防災無線塔の増設

災害対策総点検の実施	3.11後に実施した災害対策総点検の中で、聞こえ易さの改善の検討を行った。
防災行政無線塔の設置	その結果、平成24年度に防災行政無線塔を2基増設。平成26年現在、189の防災行政無線塔を設置。
放送内容の電話での確認サービス	また、放送内容を聞き逃した、或いは聞き取れなかった場合には、放送した内容を電話で聞けるサービスを平成24年4月に開始。

③公衆電話の設置場所のHPでの掲載

区のHPに公衆電話の設置場所を掲載。

http://www.city.setagaya.lg.jp/kurashi/104/141/562/d00037444.html
下のgoogle検索で、住所を入れれば、地図も確認可能。
http://maps.google.co.jp

④電線類地中化について

整備の状況	道路延長で約9.4㎞、整備延長で約13.4㎞（平成26年現在）
答弁（質問への回答）	理想的には全ての道路への電線地中化が望ましい。しかし、幅四ｍ程度の道路にも下水道管などが埋設しており、新たに電線類を埋設するための空間確保が大変に厳しい。さらに、地上機器を設置する場所の確保など、課題が多い。研究を続ける。

⑤震災時のマンホールトイレの排水対策

質問への回答①	区では東京都下水道局と連携し、マンホールトイレを設置している施設周辺では、下水道管とマンホールの接合部分が地震の揺れで破損しないように柔軟性を持たせる工事を行っている。
質問への回答②	区内には、小中高校、特別養護老人ホームなどの避難所や二次避難所が合計194カ所ある。下水道局と当区とが分担して、来年度末の完成を目指し、下水道施設の耐震化工事を進めている。
質問への回答③	平成25年度は、177箇所の公共施設につながる下水道施設を、下水道局と当区とが分担して、耐震化の工事を完了。残りの17箇所についても、平成26年度内に耐震化を完了する予定。
質問への回答④	平成26年度は、区役所や出張所、警察署、消防署などの公共施設を中心に、先ほどの避難所や二次避難所の17箇所と併せて、合計29箇所の下水道施設の耐震化を予定。
質問への回答⑤	今後、マンホールトイレを設置した公園などの耐震化についても、下水道局と連携協力しながら、積極的に下水道施設の耐震化を進める。

⑥帰宅困難者支援施設・避難所へのwi-fi設置

質問への回答①	通信事業者団体が、平成２６年４月に「大規模災害発生時における公衆無線ＬＡＮの無料開放に関するガイドライン」を作成し、無料開放する際の災害規模や、周知方法等についてとりまとめた。
質問への回答②	Wi-Fiは、駅やファーストフード店など、人の多く集まる場所に設置され、契約者が有償で利用しているが、これらを災害時に無料開放することは、その場にいた被災者が通信や情報収集等を行う上で有効。
質問への回答③	避難所となる学校への設置は、停電時の通信機器への電源供給や、平常時の利用が想定されないという課題があるが、今後、国の動向などを注視しながら有効性等について研究する。

⑦実効的な防災教育

学校での取り組み	区では、各学校では、月1回の避難訓練の実施のほかに、地域とも連携しながら様々な取組みを行っている。
取り組み内容の例①	例えば芦花小中学校では、生徒が児童を引率して下校する訓練を行っているし、太子堂中学校では地域の防災訓練に生徒が参加し、D型ポンプやスタンドパイプの操作訓練などを行っている。
取り組み内容の例②	議員の話のように、子どもたちが災害に直面する状況はさまざまであることから、各学校では、授業の時間帯だけでなく、授業開始前や休み時間などに実施したり、児童・生徒に避難訓練の予告をせずに実施したりするなどしている。
学校時の実情に合わせた訓練	また、水害を想定した屋上や高台への避難や、火災を想定した安全な場所への避難といった、避難経路や安全な避難場所の確認なども含めた、学校の実情に合わせた多様な訓練等を行っている。
質問への回答	今後も、児童・生徒がさまざまな危険を予測し、回避する能力を高める視点から、防災教育の充実に努める。

課題

①帰宅困難者対策

東日本大震災を経験し、震災対策の見直しが必要。
特に、帰宅困難者対策、実効性のある防災教育が重要。

②防災無線塔の増設

災害時に、窓を閉めていたり、雨風の音で、防災無線塔が聞こえない地域がある、とのご意見をいただいた。

③公衆電話の設置場所のHPでの掲載

東日本大震災の際には、携帯電話がつながらず、連絡手段が途絶え、混乱した。

④電線類地中化について

・平成21年・23年・26年に質問
・無電柱化とは、道路上から電柱を無くすことであり、電線類地中化はその手法の一つ。他に、裏配線、軒下配線、ソフト地中化などがある。

地震・台風などの災害時に、電線の切断による感電や電柱の倒壊の恐れあり。
電柱の倒壊により、緊急車両が入ってこない。
それにより、緊急車両が入れない、物資輸送も困難になる。
日本は、他の先進国に比べ、大変遅れている。
ロンドン、パリ、ボン、香港100％
ベルリン99％
台北95％
シンガポール93％
ソウル46％
ジャカルタ35％
東京（23区）7％
大阪5％
（幹線道路に限っても東京23区41%、全国15％）

具体的に、次のようなご意見をいただく。
榎の交差点から仙川にかけての道路は狭く、歩くのに大変危険、電線類地中化を進めてほしい。

⑤震災時のマンホールトイレの排水対策

震災時の避難所には、マンホールトイレが整備されている。災害時のトイレは重要。
マンホールトイレ内の汚水は、基本的には道路内の下水道管に流すことになるが、これまで発生した大地震では、道路にあるマンホールと下水道管との接合部が破壊されたり、また、マンホール自体が浮かび上がるなどの損傷被害が数多く発生した事例がある。
もし、大きな揺れで、下水道が損傷してしまうと、せっかくマンホールトイレを設置したのに、その汚水を流せなくなってしまい、大変なことになってしまう。

⑥帰宅困難者支援施設・避難所へのwi-fi設置

世田谷区内では、避難所へのwi-fiが整備されていない。帰宅困難者支援施設も未整備の施設が多い。

⑦実効的な防災教育

従来型の、マニュアル通りの一斉指導型の避難訓練ではなく、震災が起きたときに、行動できるよう、実効的な防災教育が必要。

課題解決に向けた質問・提案

①帰宅困難者対策

帰宅困難者対策として、帰宅困難者施設の設置、周知、情報提供、備蓄品の配備、従業員用3人分＋10％の備蓄品の区内企業への周知、小中学校への備蓄品の配備、帰宅困難者避難訓練、SNSを利用した情報提供

②防災無線塔の増設

災害時に、正しい情報を提供すること、そしてその情報が取得できるような環境を整備することは、行政が行わなければならない施策。
その手段の1つとして、防災無線塔がある。
以前から、防災無線塔が聞こえにくい地域がある、187箇所ある防災無線塔を増設すべきとの質問をしている。
その後、増えたのか、伺う。

③公衆電話の設置場所のHPでの掲載

災害時の連絡手段として、公衆電話が有効。現在、区内に700台の公衆電話があり、また、セブンイレブンも、約1200店舗で災害時に使用できる非常時用公衆電話を配備する。
よって今後、区・コンビニ・NTTの情報も合わせて、区内の公衆電話の場所を把握し、その場所をあらかじめ区のHPや災害時区民行動マニュアル等で明記して知らせることが必要である。
普段から近くの公衆電話の位置を確認しておくことで、災害時の安否確認等に活用できる。

④電線類地中化について

電線類の地中化のメリット

・災害時の電力供給の可。
・電線の切断による感電や電柱の倒壊の危険性がなくなる。
・それにより緊急車両が入りやすくなり、物資輸送可。
・区の情報システム停止の回避。
・街づくりの観点からも、景観がよくなる。

できるところから、電線類地中化が必要。
また、左記ほどのご意見のように、幅4ｍ未満の狭い道路にも、無電線化が必要。
見解を伺う。

⑤震災時のマンホールトイレの排水対策

マンホールトイレなど震災時の汚水を流す下水道について、来年度以降も耐震化が必要。見解を伺う。

⑥帰宅困難者支援施設・避難所へのwi-fi設置

東日本大震災では、スマホやタブレット端末の普及に伴い、被災地の普及支援活動や避難所などにおいて、無線LANが有効や通信手段として機能した。
携帯電話がつながりにくい状況においては、wi-fiを最大限に活用できるような環境整備が有効。

現在、通信事業者団体の自主的な取り組みにより、大規模災害時は、公衆無線LANを無料開放する動きがあり、平成26年にガイドラインを作成している。これにより、下北沢や二子玉川などの商業施設がカバーできるが、帰宅困難者施設や避難所において、wi-fi設置が必要と考える。見解を伺う。

⑦実効的な防災教育

・3・11の東日本大震災以降、これまで以上に防災教育の重要性が叫ばれている。
・災害時に子どもたち1人1人が、誰かの指示を待たずとも、自分の判断で、危機回避行動がとれること。
・そのためには、定期的な避難訓練と、例えば朝礼や給食、掃除の時間などに、予告なしの抜き打ち訓練を行うことが有効。
・他都市の例を参考にしながら、実効的な防災教育を行うべきと考える。

公衆電話の設置場所のHPでの掲載

課題

東日本大震災の際には、携帯電話がつながらず、連絡手段が途絶え、混乱した。

課題解決のための質問・提案

災害時の連絡手段として、公衆電話が有効。現在、区内に700台の公衆電話があり、また、セブンイレブンも、約1200店舗で災害時に使用できる非常時用公衆電話を配備する。
よって今後、区・コンビニ・NTTの情報も合わせて、区内の公衆電話の場所を把握し、その場所をあらかじめ区のHPや災害時区民行動マニュアル等で明記して知らせることが必要である。
普段から近くの公衆電話の位置を確認しておくことで、災害時の安否確認等に活用できる。

成果

区のHPに公衆電話の設置場所を掲載。

http://www.city.setagaya.tokyo.jp/030/pdf/37444_1.pdf
下のgoogle検索で、住所を入れれば、地図も確認可能。
http://maps.google.co.jp

ゲリラ豪雨対策

成果

①浸水対策

○即効対策

各地域への土のうステーションの設置	平成28年12月現在、52か所設置。
雨水浸透ますの設置	平成25年度までに、約6万5000個の雨水浸透ます、約190万㎡の透水性アスファルト舗装（道路に降った雨水を地下に浸透させる）を整備。⇒下水道や河川への雨水流出量を抑制。
区報を活用した区民への呼びかけ	区報で集中豪雨の備えを促す。
雨水浸透ますの清掃点検	これまで浸水被害のあった地域を重点的に、雨水浸透ますの清掃点検を実施。
雨水貯留浸透施設の整備	雨水貯留浸透施設を積極的に設置。（早期に対策が必要な地域から）

○抜本的対策

下水道の整備	下水道の整備は東京都下水道局との連携、協力を密にして行う。概ね30年後を目標に、23区全域で1時間に50mmの降雨に対応できるように整備する計画。
下水道、河川整備の整備	下水道、河川整備の順序は、下流側から整備する必要がある。
分流式地域の雨水管の整備	分流式地域の野川や仙川では、1時間に50ミリに耐えられるような河川改修を進めており、その後、雨水管の整備を進める。谷沢川や丸子川は、河川改修の整備計画を検討。雨水管は未整備。
豪雨対策計画の見直し	平成26年～29年度にかけて実施する（仮称）「世田谷区豪雨対策後期行動計画」を取りまとめる予定。
各機関との連携	東京都を始めとする関係機関、区民・事業者等と連携・協力する。

②桜丘地域の浸水対策

質問への回答①	上馬地区では、この10年間でも何回か浸水被害が発生していることから、更なる対策が必要。
質問への回答②	平成27年度までに、下水道局が、蛇崩川幹線の下水道増強施設整備に着手。
質問への回答③	それまでの間、区は上馬・弦巻地区をモデル地区に指定し、区道への雨水貯留施設を設置。

③上馬・弦巻地区の蛇崩川幹線対策（合流式地域）

世田谷区豪雨対策行動計画の見直し	平成25年度に豪雨対策の課題を整理し、平成26年～29年に実施する世田谷区豪雨対策後期行動計画を策定。
国分寺崖線の災害対策	都の調査

④冠水対策（道路冠水時のドライバーへの周知）

質問への回答①	７月２３日の集中豪雨による被害状況や過去に発生した水害記録などを踏まえ、交通管理者である警察と協議し、必要に応じて、看板を設置するなど、検討する。
質問への回答②	渋谷区の例のように、冠水警告用の電光掲示板の設置。また、「水深1ｍライン」を描くなどして、ドライバーに注意を促す対策が必要。

⑤震災時のマンホールトイレの排水対策

耐震化工事の状況①	区では東京都下水道局と連携し、マンホールトイレを設置している施設周辺では、下水道管とマンホールの接合部分が地震の揺れで破損しないように柔軟性を持たせる工事を行っている。
耐震化工事の状況②	区内には、小中高校、特別養護老人ホームなどの避難所や二次避難所が合計１９５カ所ある。下水道局と当区とが分担して、来年度末の完成を目指し、下水道施設の耐震化工事を進めている。
来年度以降の見通し	来年度以降についても、区役所や出張所、また、警察署や消防署などの公共施設及びマンホールトイレを設置した公園などを中心に、下水道局と連携を図りながら、積極的に下水道施設の耐震化を進める。

⑥土のうステーションの使い方の周知徹底

今後の土のうステーションの設置	来年度以降、区内全域に、土のうステーションの設置箇所を増やしていく予定。
周知方法	土のうステーションに説明書を貼り付けるほか、説明用のパンフレットを作成し、公共施設の窓口に置くことや、区のホームページに土のうを使うタイミングや積み方を掲載するなどを行い、周知する。

タイミングと並べ方について

土のうのタイミング：1個５㎏と10㎏のものがあり、数は10個単位で必要。雨が降り始めてから取りに行き、並べるのでは、浸水被害を防ぐのは困難。集中豪雨が発生しやすい夏前の時期や、台風が接近する前など、事前に並べる必要がある。並べ方：道路に面した入り口など、道路から雨が流れ込みそうな場所に、土のうを平らにして隙間無く並べることが重要なポイント。

課題

①浸水対策

全国的に異常気象で、ゲリラ豪雨・竜巻等が多く発生。この夏も、世田谷区内で多くの浸水被害が出た。
桜丘にお住まいの方からご意見をいただく。「環状8号線沿いに住んでいるが、家の前の雨水の浸透ますに雨水が入りきらず、道路に溜まり大変だった。」
平成25年、上馬地域や弦巻地域、中町地域において、浸水被害が数多く発生し、わずか10分間に30ミリの雨量が観測された。通常は、例えば矢沢川は1時間に30ミリの雨に耐えられるような基準になっているので、かなりの雨量ということがわかる。
平成26年に北沢・烏山地域で甚大の被害をもたらした。他の地域も大きな被害あり。
世田谷区内の下水道管には、2種類のタイプがある。合流式地域と分流式地域。

合流式地域：汚水と雨水を一緒に流すタイプ。100％整備済。（目黒川・呑川）
分流式地域：汚水と雨水の管が別々のタイプ。汚水管100％整備済。雨水管20％整備済。（多摩川に流れ込む野川、仙川、谷沢川、丸子川の流域）

分流式地域で、雨水管の整備が2割と大変遅れている。よって、雨浸透ますに染みこみきれない雨水が、地上にあふれてしまう。

②桜丘地域の浸水対策

桜丘にお住まいの方からご意見をいただく。「環状8号線沿いに住んでいるが、家の前の雨水の浸透ますに雨水が入りきらず、道路に溜まり大変だった。」

③上馬・弦巻地区の蛇崩川幹線対策（合流式地域）

上馬・弦巻地区では、降った雨は、蛇崩川緑道の下にある下水道の蛇崩川幹線に流れ込む。蛇崩川幹線は下水道の合流方式の幹線なので、普段は汚水が流れ、下水道である目黒川幹線に合流し、浄化されて東京湾に放流される。
ところが、一定以上の雨が降ると、蛇崩川幹線に流れ込んだ雨水のうち、目黒川幹線では対応できないため、オーバーフローした水が目黒川へと放流され、東京湾に流れ込む。
蛇崩川幹線は、１時間に50mmまでは対応できるが、上馬地区では、この10年間で、何度も浸水被害が発生しているため、東京都下水道局が、平成21年度に、小泉公園の地下に雨水調整池を設置した。
しかし、今回の豪雨では、この調整池も満杯になり、そのため、上馬や弦巻地区では広い範囲で浸水被害が発生した。

④冠水対策（道路冠水時のドライバーへの周知）

整備基準を超える雨が降った場合、区内には、アンダーパス部以外でも、低地部において、道路冠水により車が通行できなくなるような区道があると考える。

国・他区の取り組み

国土交通省では、アンダーパス部の冠水注意箇所を129箇所取り上げ、「冠水注意箇所マップ」を作成し、注意喚起を行っている。
また、国道では、異常豪雨時の走行注意を促す注意喚起の標識類や、冠水情報を提供する電光掲示板、警報装置、監視装置が設置され、またパトロールの強化など、冠水対策に積極的に取り組んでいる。
区道では、渋谷区が、代々木付近の小田急線ガード下において、冠水警告用の電光掲示板を設置するとともに、水位の目安となる「水深1ｍライン」を、道路のよう壁に描いて表示している。

⑤震災時のマンホールトイレの排水対策

震災時の避難所には、マンホールトイレが整備されている。災害時のトイレは重要。
マンホールトイレ内の汚水は、基本的には道路内の下水道管に流すことになるが、これまで発生した大地震では、道路にあるマンホールと下水道管との接合部が破壊されたり、また、マンホール自体が浮かび上がるなどの損傷被害が数多く発生した事例がある。
もし、大きな揺れで、下水道が損傷してしまうと、せっかくマンホールトイレを設置したのに、その汚水を流せなくなってしまい、大変なことになってしまう。

⑥土のうステーションの使い方の周知徹底

土のうステーションが、昨年・今年の夏の浸水被害が多かった中町・上馬・弦巻・北沢・烏山地区を中心に、36箇所設置された。一歩前進した。有難い。
一方、区民の方から、「土のうは土を入れる袋なのか、また、豪雨の中で、短時間に土のうを運ぶのは、よほど訓練を積んだ自衛隊等でないと、難しいのではないか？」とのご意見をいただいた。
確かに、土のうステーションの中を見たことがない、また土のうを使ったことがない区民の方は多い。

課題解決のための質問・提案

①浸水対策

浸水対策には、抜本的対策と即効対策がある。

○抜本的対策：2割しか整備できていない、分流式地域の雨水管の整備。
基準雨量の見直しなど、長期的計画が必要。

○即効対策：土のうがすぐに取り出せる、土のうステーションの全区整備。
側溝の定期的な清掃
雨水貯留浸透施設の整備
染み込みやすい雨水浸透ますの設置

②桜丘地域の浸水対策

雨水の浸透機能だけでなく、貯留機能を兼ね備えた、新しいタイプの施設を設置すべき。

③上馬・弦巻地区の蛇崩川幹線対策（合流式地域）

・小泉公園地下の雨水調整池が完成した後も、今回のような広範囲の浸水被害が発生するようだと、更なる対策が必要。
・蛇崩川幹線の下水道の増強施設の整備が必要。⇒東京都に要望
・増強施設の完成までの期間、雨水貯留施設の設置が必要。

④冠水対策（道路冠水時のドライバーへの周知）

・整備基準を超える雨が降った場合、世田谷区としても、道路冠水時には無理に通行しないよう、周知が必要。
・渋谷区の例のように、冠水警告用の電光掲示板の設置。また、「水深1ｍライン」を描くなどして、ドライバーに注意を促す対策が必要。

⑤震災時のマンホールトイレの排水対策

マンホールトイレなど震災時の汚水を流す下水道について、耐震化が必要。

⑥土のうステーションの使い方の周知徹底

・土のうステーションは、区民の方が、浸水被害を防ぐために、自ら設置きることにメリットがある。しかし、土のうステーションの中を見たことがない、また土のうを使ったことがない区民の方は多い。
・使い方、タイミングなど、適切な時に、適切な場所に配置する必要がある。
・土のうステーションの使い方を周知すべきと考える。

震災対策

成果

①帰宅困難者対策

区内企業・大規模商業施設等と連携して普及・対策を行う。

①帰宅困難者支援施設の設置（避難所とは別）	11ヶ所指定
②帰宅困難者支援施設の周知	区のHP、災害時区民行動マニュアル、災害時帰宅困難者行動マニュアルの地図に掲載。
③帰宅困難者への情報提供	世田谷区のツイッターの開設。
④帰宅困難者支援施設への備蓄品の配備	3000人分の水・食料・アルミブランケットを備蓄。今後、備蓄物資の追加購入する予定。
⑤従業員用3日分＋10％の備蓄品の区内企業への周知	関係部署と連携して働きかける。
⑥災害対策本部が設置される区役所への備蓄品の配備	食料・水・毛布など3人分の備蓄品を配備する。区役所の井戸も整備。
⑦小中学校への備蓄品の配備	児童生徒用の追加備蓄の検討、教職員用の3日分の備蓄品を行った。
⑧帰宅困難者避難訓練	Twitterを使い、実施

②防災無線塔の増設

災害対策総点検の実施	3.11後に実施した災害対策総点検の中で、聞こえ易さの改善の検討を行った。
防災行政無線塔の設置	その結果、平成24年度に防災行政無線塔を2基増設。平成26年現在、189の防災行政無線塔を設置。
放送内容の電話での確認サービス	また、放送内容を聞き逃した、或いは聞き取れなかった場合には、放送した内容を電話で聞けるサービスを平成24年4月に開始。

③公衆電話の設置場所のHPでの掲載

区のHPに公衆電話の設置場所を掲載。

http://www.city.setagaya.lg.jp/kurashi/104/141/562/d00037444.html
下のgoogle検索で、住所を入れれば、地図も確認可能。
http://maps.google.co.jp

④電線類地中化について

整備の状況	道路延長で約9.4㎞、整備延長で約13.4㎞（平成26年現在）
答弁（質問への回答）	理想的には全ての道路への電線地中化が望ましい。しかし、幅四ｍ程度の道路にも下水道管などが埋設しており、新たに電線類を埋設するための空間確保が大変に厳しい。さらに、地上機器を設置する場所の確保など、課題が多い。研究を続ける。

⑤震災時のマンホールトイレの排水対策

質問への回答①	区では東京都下水道局と連携し、マンホールトイレを設置している施設周辺では、下水道管とマンホールの接合部分が地震の揺れで破損しないように柔軟性を持たせる工事を行っている。
質問への回答②	区内には、小中高校、特別養護老人ホームなどの避難所や二次避難所が合計194カ所ある。下水道局と当区とが分担して、来年度末の完成を目指し、下水道施設の耐震化工事を進めている。
質問への回答③	平成25年度は、177箇所の公共施設につながる下水道施設を、下水道局と当区とが分担して、耐震化の工事を完了。残りの17箇所についても、平成26年度内に耐震化を完了する予定。
質問への回答④	平成26年度は、区役所や出張所、警察署、消防署などの公共施設を中心に、先ほどの避難所や二次避難所の17箇所と併せて、合計29箇所の下水道施設の耐震化を予定。
質問への回答⑤	今後、マンホールトイレを設置した公園などの耐震化についても、下水道局と連携協力しながら、積極的に下水道施設の耐震化を進める。

⑥帰宅困難者支援施設・避難所へのwi-fi設置

質問への回答①	通信事業者団体が、平成２６年４月に「大規模災害発生時における公衆無線ＬＡＮの無料開放に関するガイドライン」を作成し、無料開放する際の災害規模や、周知方法等についてとりまとめた。
質問への回答②	Wi-Fiは、駅やファーストフード店など、人の多く集まる場所に設置され、契約者が有償で利用しているが、これらを災害時に無料開放することは、その場にいた被災者が通信や情報収集等を行う上で有効。
質問への回答③	避難所となる学校への設置は、停電時の通信機器への電源供給や、平常時の利用が想定されないという課題があるが、今後、国の動向などを注視しながら有効性等について研究する。

⑦実効的な防災教育

学校での取り組み	区では、各学校では、月1回の避難訓練の実施のほかに、地域とも連携しながら様々な取組みを行っている。
取り組み内容の例①	例えば芦花小中学校では、生徒が児童を引率して下校する訓練を行っているし、太子堂中学校では地域の防災訓練に生徒が参加し、D型ポンプやスタンドパイプの操作訓練などを行っている。
取り組み内容の例②	議員の話のように、子どもたちが災害に直面する状況はさまざまであることから、各学校では、授業の時間帯だけでなく、授業開始前や休み時間などに実施したり、児童・生徒に避難訓練の予告をせずに実施したりするなどしている。
学校時の実情に合わせた訓練	また、水害を想定した屋上や高台への避難や、火災を想定した安全な場所への避難といった、避難経路や安全な避難場所の確認なども含めた、学校の実情に合わせた多様な訓練等を行っている。
質問への回答	今後も、児童・生徒がさまざまな危険を予測し、回避する能力を高める視点から、防災教育の充実に努める。

課題

①帰宅困難者対策

東日本大震災を経験し、震災対策の見直しが必要。
特に、帰宅困難者対策、実効性のある防災教育が重要。

②防災無線塔の増設

災害時に、窓を閉めていたり、雨風の音で、防災無線塔が聞こえない地域がある、とのご意見をいただいた。

③公衆電話の設置場所のHPでの掲載

東日本大震災の際には、携帯電話がつながらず、連絡手段が途絶え、混乱した。

④電線類地中化について

・平成21年・23年・26年に質問
・無電柱化とは、道路上から電柱を無くすことであり、電線類地中化はその手法の一つ。他に、裏配線、軒下配線、ソフト地中化などがある。

地震・台風などの災害時に、電線の切断による感電や電柱の倒壊の恐れあり。
電柱の倒壊により、緊急車両が入ってこない。
それにより、緊急車両が入れない、物資輸送も困難になる。
日本は、他の先進国に比べ、大変遅れている。
ロンドン、パリ、ボン、香港100％
ベルリン99％
台北95％
シンガポール93％
ソウル46％
ジャカルタ35％
東京（23区）7％
大阪5％
（幹線道路に限っても東京23区41%、全国15％）

具体的に、次のようなご意見をいただく。
榎の交差点から仙川にかけての道路は狭く、歩くのに大変危険、電線類地中化を進めてほしい。

⑤震災時のマンホールトイレの排水対策

震災時の避難所には、マンホールトイレが整備されている。災害時のトイレは重要。
マンホールトイレ内の汚水は、基本的には道路内の下水道管に流すことになるが、これまで発生した大地震では、道路にあるマンホールと下水道管との接合部が破壊されたり、また、マンホール自体が浮かび上がるなどの損傷被害が数多く発生した事例がある。
もし、大きな揺れで、下水道が損傷してしまうと、せっかくマンホールトイレを設置したのに、その汚水を流せなくなってしまい、大変なことになってしまう。

⑥帰宅困難者支援施設・避難所へのwi-fi設置

世田谷区内では、避難所へのwi-fiが整備されていない。帰宅困難者支援施設も未整備の施設が多い。

⑦実効的な防災教育

従来型の、マニュアル通りの一斉指導型の避難訓練ではなく、震災が起きたときに、行動できるよう、実効的な防災教育が必要。

課題解決に向けた質問・提案

①帰宅困難者対策

帰宅困難者対策として、帰宅困難者施設の設置、周知、情報提供、備蓄品の配備、従業員用3人分＋10％の備蓄品の区内企業への周知、小中学校への備蓄品の配備、帰宅困難者避難訓練、SNSを利用した情報提供

②防災無線塔の増設

災害時に、正しい情報を提供すること、そしてその情報が取得できるような環境を整備することは、行政が行わなければならない施策。
その手段の1つとして、防災無線塔がある。
以前から、防災無線塔が聞こえにくい地域がある、187箇所ある防災無線塔を増設すべきとの質問をしている。
その後、増えたのか、伺う。

③公衆電話の設置場所のHPでの掲載

災害時の連絡手段として、公衆電話が有効。現在、区内に700台の公衆電話があり、また、セブンイレブンも、約1200店舗で災害時に使用できる非常時用公衆電話を配備する。
よって今後、区・コンビニ・NTTの情報も合わせて、区内の公衆電話の場所を把握し、その場所をあらかじめ区のHPや災害時区民行動マニュアル等で明記して知らせることが必要である。
普段から近くの公衆電話の位置を確認しておくことで、災害時の安否確認等に活用できる。

④電線類地中化について

電線類の地中化のメリット

・災害時の電力供給の可。
・電線の切断による感電や電柱の倒壊の危険性がなくなる。
・それにより緊急車両が入りやすくなり、物資輸送可。
・区の情報システム停止の回避。
・街づくりの観点からも、景観がよくなる。

できるところから、電線類地中化が必要。
また、左記ほどのご意見のように、幅4ｍ未満の狭い道路にも、無電線化が必要。
見解を伺う。

⑤震災時のマンホールトイレの排水対策

マンホールトイレなど震災時の汚水を流す下水道について、来年度以降も耐震化が必要。見解を伺う。

⑥帰宅困難者支援施設・避難所へのwi-fi設置

東日本大震災では、スマホやタブレット端末の普及に伴い、被災地の普及支援活動や避難所などにおいて、無線LANが有効や通信手段として機能した。
携帯電話がつながりにくい状況においては、wi-fiを最大限に活用できるような環境整備が有効。

現在、通信事業者団体の自主的な取り組みにより、大規模災害時は、公衆無線LANを無料開放する動きがあり、平成26年にガイドラインを作成している。これにより、下北沢や二子玉川などの商業施設がカバーできるが、帰宅困難者施設や避難所において、wi-fi設置が必要と考える。見解を伺う。

⑦実効的な防災教育

・3・11の東日本大震災以降、これまで以上に防災教育の重要性が叫ばれている。
・災害時に子どもたち1人1人が、誰かの指示を待たずとも、自分の判断で、危機回避行動がとれること。
・そのためには、定期的な避難訓練と、例えば朝礼や給食、掃除の時間などに、予告なしの抜き打ち訓練を行うことが有効。
・他都市の例を参考にしながら、実効的な防災教育を行うべきと考える。

公衆電話の設置場所のHPでの掲載

課題

東日本大震災の際には、携帯電話がつながらず、連絡手段が途絶え、混乱した。

課題解決のための質問・提案

災害時の連絡手段として、公衆電話が有効。現在、区内に700台の公衆電話があり、また、セブンイレブンも、約1200店舗で災害時に使用できる非常時用公衆電話を配備する。
よって今後、区・コンビニ・NTTの情報も合わせて、区内の公衆電話の場所を把握し、その場所をあらかじめ区のHPや災害時区民行動マニュアル等で明記して知らせることが必要である。
普段から近くの公衆電話の位置を確認しておくことで、災害時の安否確認等に活用できる。

成果

区のHPに公衆電話の設置場所を掲載。

http://www.city.setagaya.tokyo.jp/030/pdf/37444_1.pdf
下のgoogle検索で、住所を入れれば、地図も確認可能。
http://maps.google.co.jp

ゲリラ豪雨対策

成果

①浸水対策

○即効対策

各地域への土のうステーションの設置	平成28年12月現在、52か所設置。
雨水浸透ますの設置	平成25年度までに、約6万5000個の雨水浸透ます、約190万㎡の透水性アスファルト舗装（道路に降った雨水を地下に浸透させる）を整備。⇒下水道や河川への雨水流出量を抑制。
区報を活用した区民への呼びかけ	区報で集中豪雨の備えを促す。
雨水浸透ますの清掃点検	これまで浸水被害のあった地域を重点的に、雨水浸透ますの清掃点検を実施。
雨水貯留浸透施設の整備	雨水貯留浸透施設を積極的に設置。（早期に対策が必要な地域から）

○抜本的対策

下水道の整備	下水道の整備は東京都下水道局との連携、協力を密にして行う。概ね30年後を目標に、23区全域で1時間に50mmの降雨に対応できるように整備する計画。
下水道、河川整備の整備	下水道、河川整備の順序は、下流側から整備する必要がある。
分流式地域の雨水管の整備	分流式地域の野川や仙川では、1時間に50ミリに耐えられるような河川改修を進めており、その後、雨水管の整備を進める。谷沢川や丸子川は、河川改修の整備計画を検討。雨水管は未整備。
豪雨対策計画の見直し	平成26年～29年度にかけて実施する（仮称）「世田谷区豪雨対策後期行動計画」を取りまとめる予定。
各機関との連携	東京都を始めとする関係機関、区民・事業者等と連携・協力する。

②桜丘地域の浸水対策

質問への回答①	上馬地区では、この10年間でも何回か浸水被害が発生していることから、更なる対策が必要。
質問への回答②	平成27年度までに、下水道局が、蛇崩川幹線の下水道増強施設整備に着手。
質問への回答③	それまでの間、区は上馬・弦巻地区をモデル地区に指定し、区道への雨水貯留施設を設置。

③上馬・弦巻地区の蛇崩川幹線対策（合流式地域）

世田谷区豪雨対策行動計画の見直し	平成25年度に豪雨対策の課題を整理し、平成26年～29年に実施する世田谷区豪雨対策後期行動計画を策定。
国分寺崖線の災害対策	都の調査

④冠水対策（道路冠水時のドライバーへの周知）

質問への回答①	７月２３日の集中豪雨による被害状況や過去に発生した水害記録などを踏まえ、交通管理者である警察と協議し、必要に応じて、看板を設置するなど、検討する。
質問への回答②	渋谷区の例のように、冠水警告用の電光掲示板の設置。また、「水深1ｍライン」を描くなどして、ドライバーに注意を促す対策が必要。

⑤震災時のマンホールトイレの排水対策

耐震化工事の状況①	区では東京都下水道局と連携し、マンホールトイレを設置している施設周辺では、下水道管とマンホールの接合部分が地震の揺れで破損しないように柔軟性を持たせる工事を行っている。
耐震化工事の状況②	区内には、小中高校、特別養護老人ホームなどの避難所や二次避難所が合計１９５カ所ある。下水道局と当区とが分担して、来年度末の完成を目指し、下水道施設の耐震化工事を進めている。
来年度以降の見通し	来年度以降についても、区役所や出張所、また、警察署や消防署などの公共施設及びマンホールトイレを設置した公園などを中心に、下水道局と連携を図りながら、積極的に下水道施設の耐震化を進める。

⑥土のうステーションの使い方の周知徹底

今後の土のうステーションの設置	来年度以降、区内全域に、土のうステーションの設置箇所を増やしていく予定。
周知方法	土のうステーションに説明書を貼り付けるほか、説明用のパンフレットを作成し、公共施設の窓口に置くことや、区のホームページに土のうを使うタイミングや積み方を掲載するなどを行い、周知する。

タイミングと並べ方について

土のうのタイミング：1個５㎏と10㎏のものがあり、数は10個単位で必要。雨が降り始めてから取りに行き、並べるのでは、浸水被害を防ぐのは困難。集中豪雨が発生しやすい夏前の時期や、台風が接近する前など、事前に並べる必要がある。並べ方：道路に面した入り口など、道路から雨が流れ込みそうな場所に、土のうを平らにして隙間無く並べることが重要なポイント。

課題

①浸水対策

全国的に異常気象で、ゲリラ豪雨・竜巻等が多く発生。この夏も、世田谷区内で多くの浸水被害が出た。
桜丘にお住まいの方からご意見をいただく。「環状8号線沿いに住んでいるが、家の前の雨水の浸透ますに雨水が入りきらず、道路に溜まり大変だった。」
平成25年、上馬地域や弦巻地域、中町地域において、浸水被害が数多く発生し、わずか10分間に30ミリの雨量が観測された。通常は、例えば矢沢川は1時間に30ミリの雨に耐えられるような基準になっているので、かなりの雨量ということがわかる。
平成26年に北沢・烏山地域で甚大の被害をもたらした。他の地域も大きな被害あり。
世田谷区内の下水道管には、2種類のタイプがある。合流式地域と分流式地域。

合流式地域：汚水と雨水を一緒に流すタイプ。100％整備済。（目黒川・呑川）
分流式地域：汚水と雨水の管が別々のタイプ。汚水管100％整備済。雨水管20％整備済。（多摩川に流れ込む野川、仙川、谷沢川、丸子川の流域）

分流式地域で、雨水管の整備が2割と大変遅れている。よって、雨浸透ますに染みこみきれない雨水が、地上にあふれてしまう。

②桜丘地域の浸水対策

桜丘にお住まいの方からご意見をいただく。「環状8号線沿いに住んでいるが、家の前の雨水の浸透ますに雨水が入りきらず、道路に溜まり大変だった。」

③上馬・弦巻地区の蛇崩川幹線対策（合流式地域）

上馬・弦巻地区では、降った雨は、蛇崩川緑道の下にある下水道の蛇崩川幹線に流れ込む。蛇崩川幹線は下水道の合流方式の幹線なので、普段は汚水が流れ、下水道である目黒川幹線に合流し、浄化されて東京湾に放流される。
ところが、一定以上の雨が降ると、蛇崩川幹線に流れ込んだ雨水のうち、目黒川幹線では対応できないため、オーバーフローした水が目黒川へと放流され、東京湾に流れ込む。
蛇崩川幹線は、１時間に50mmまでは対応できるが、上馬地区では、この10年間で、何度も浸水被害が発生しているため、東京都下水道局が、平成21年度に、小泉公園の地下に雨水調整池を設置した。
しかし、今回の豪雨では、この調整池も満杯になり、そのため、上馬や弦巻地区では広い範囲で浸水被害が発生した。

④冠水対策（道路冠水時のドライバーへの周知）

整備基準を超える雨が降った場合、区内には、アンダーパス部以外でも、低地部において、道路冠水により車が通行できなくなるような区道があると考える。

国・他区の取り組み

国土交通省では、アンダーパス部の冠水注意箇所を129箇所取り上げ、「冠水注意箇所マップ」を作成し、注意喚起を行っている。
また、国道では、異常豪雨時の走行注意を促す注意喚起の標識類や、冠水情報を提供する電光掲示板、警報装置、監視装置が設置され、またパトロールの強化など、冠水対策に積極的に取り組んでいる。
区道では、渋谷区が、代々木付近の小田急線ガード下において、冠水警告用の電光掲示板を設置するとともに、水位の目安となる「水深1ｍライン」を、道路のよう壁に描いて表示している。

⑤震災時のマンホールトイレの排水対策

震災時の避難所には、マンホールトイレが整備されている。災害時のトイレは重要。
マンホールトイレ内の汚水は、基本的には道路内の下水道管に流すことになるが、これまで発生した大地震では、道路にあるマンホールと下水道管との接合部が破壊されたり、また、マンホール自体が浮かび上がるなどの損傷被害が数多く発生した事例がある。
もし、大きな揺れで、下水道が損傷してしまうと、せっかくマンホールトイレを設置したのに、その汚水を流せなくなってしまい、大変なことになってしまう。

⑥土のうステーションの使い方の周知徹底

土のうステーションが、昨年・今年の夏の浸水被害が多かった中町・上馬・弦巻・北沢・烏山地区を中心に、36箇所設置された。一歩前進した。有難い。
一方、区民の方から、「土のうは土を入れる袋なのか、また、豪雨の中で、短時間に土のうを運ぶのは、よほど訓練を積んだ自衛隊等でないと、難しいのではないか？」とのご意見をいただいた。
確かに、土のうステーションの中を見たことがない、また土のうを使ったことがない区民の方は多い。

課題解決のための質問・提案

①浸水対策

浸水対策には、抜本的対策と即効対策がある。

○抜本的対策：2割しか整備できていない、分流式地域の雨水管の整備。
基準雨量の見直しなど、長期的計画が必要。

○即効対策：土のうがすぐに取り出せる、土のうステーションの全区整備。
側溝の定期的な清掃
雨水貯留浸透施設の整備
染み込みやすい雨水浸透ますの設置

②桜丘地域の浸水対策

雨水の浸透機能だけでなく、貯留機能を兼ね備えた、新しいタイプの施設を設置すべき。

③上馬・弦巻地区の蛇崩川幹線対策（合流式地域）

・小泉公園地下の雨水調整池が完成した後も、今回のような広範囲の浸水被害が発生するようだと、更なる対策が必要。
・蛇崩川幹線の下水道の増強施設の整備が必要。⇒東京都に要望
・増強施設の完成までの期間、雨水貯留施設の設置が必要。

④冠水対策（道路冠水時のドライバーへの周知）

・整備基準を超える雨が降った場合、世田谷区としても、道路冠水時には無理に通行しないよう、周知が必要。
・渋谷区の例のように、冠水警告用の電光掲示板の設置。また、「水深1ｍライン」を描くなどして、ドライバーに注意を促す対策が必要。

⑤震災時のマンホールトイレの排水対策

マンホールトイレなど震災時の汚水を流す下水道について、耐震化が必要。

⑥土のうステーションの使い方の周知徹底

・土のうステーションは、区民の方が、浸水被害を防ぐために、自ら設置きることにメリットがある。しかし、土のうステーションの中を見たことがない、また土のうを使ったことがない区民の方は多い。
・使い方、タイミングなど、適切な時に、適切な場所に配置する必要がある。
・土のうステーションの使い方を周知すべきと考える。

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