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平成24年第4回定例会 一般質問

◎エネルギーの相談事業(エネルギーコンシェルジュ)について
◎通学路の安全対策について
◎自転車シミュレータの活用
◎車のドライバーへの自転車教育について
◎わかりやすい基本構想の策定について

◎エネルギーの相談事業(エネルギーコンシェルジュ)について

●質問の主な観点
○エネルギー相談事業の内容の充実
○エネルギー相談事業の課題解決について

世田谷区では、来年から、エネルギーの相談事業、いわゆるエネルギーコンシェルジュを始める。

○想定されるエネルギーコンシェルジュの相談内容
・太陽光発電を導入したいが我が家にあったシステムはどれか?
・太陽光発電の設置は難しいと言われたが、他にできることはないか?
・リフォームの際に再生可能エネルギーを組み入れたい。

○せたがやソーラーさんさん事業とは?
区内に戸建ての住宅を所有する区民の方に、安価で良質な太陽光発電システムを提供する事業。具体的には、設置に関する相談を受けるほか、各種補助金や提携金融機関の低金利ローンの案内にも対応する。

○「せたがやソーラーさんさん事業」の結果
・約2,000件の相談、600件の申し込みがあり、そのうち契約は150件余りで、現在交渉中の方々を含めても300件前後の成約という状況。
・設置を希望しても設置できない方が半数程度に上るようで、理由は耐震基準を満たしていない。屋根の向き・広さの条件が悪く設置が困難、あるいは採算が合わない、と言った理由が多い。

◆ひうち質問1
「せたがやソーラーさんさん事業」の結果は、条件に合わず、断念した方もいらっしゃる。
しかしこのような方々の中には、3・11以降、自分も何か協力できないかと考え、太陽光発電を考えた方も多いと思う。「太陽光は無理です」だけでは、そうした方々の気持ちに応えることができませんし、せっかくエネルギーに対して関心を持っていただいたのに、その気持ちを無にすることはもったいない。
再生可能エネルギーの活用は太陽光だけではなく、太陽熱や省エネへの取り組みなどもある。
そこで、エネルギーコンシェルジュは、こうしたさんさん事業でカバーできなかった方々にも、色々なサポートを行う制度になる必要があると思うが、どのような相談事業を考えているのか、準備状況と併せて見解を伺う。

答弁:
・「せたがやソーラーさんさん事業」の開始も相まって、特に太陽光発電に関する問い合わせが多い。その中では、製品やメーカー、価格、補助金、あるいは、太陽光発電以外の省エネ製品やエコ商品等に多岐にわたっている。
・また、「せたがやソーラーさんさん事業」では、見積もりの申し込んでも、建物の耐震基準や屋根の形状などの要因により設置できない区民が多くおり、こうした区民の関心に的確に応えるためには、総合的に相談に応じる窓口が不可欠である。
・議員の質問にあった、エネルギーコンシェルジュについては、区民のライフスタイルや家族構成なども勘案し、公平性・中立性を維持した上で、相談者の求めに応じてコーディネートするサービスを考えている。
・今後は、関係所管と連携し、区民ニーズに即した相談事業となるよう、体制の確保、区民への周知に努めてまいる。

◆ひうち質問2
今までに省エネを総合的にアドバイスする仕組みはないので、エネルギーコンシェルジュは、新しい相談窓口として役割はあると思うが、いくつかの課題がある。
①まず、区がこうした事業を行っていることを区民にいかに知ってもらうかである。私の周りでも家電の買い替えで悩む人は多いが、このような経済活動に行政は関係ないと考えている方も多く、区民に相談事業として定着するには課題がある。
②次に相談内容についてである。例えば区民は自分の家で導入できるシステムの相談が多く、その際にはメーカー間の性能比較を行い、特定のメーカーを奨める必要がある。よって公平性・中立性を維持しつつどこまで踏み込んだアドバイスができるかが課題と考える。
③また、相談事業は当面、専門業者への委託により事業を実施するが、相談の蓄積によって得られる各種のノウハウを区が蓄積できるか、が課題になると考える。エネルギーに関心のある区民の方々の協力を得て相談者をサポートするような方策を検討していくべきと考える。

これらの課題について、区の見解を伺う。

答弁:
・家庭のエネルギー消費に関する相談事業は、今まで取り組んでいないことなので、区のどの窓口で取り扱っているのか、どのような相談を受け付けているのか区民の皆様に分かりやすく伝えることが必要。また、区の関連機関が、事業内容を正確に理解し、区民の皆様を適切に誘導しなければならない。
・また、今回の相談では、具体的な製品選択を支援する業務となることから、相談員は様々な製品の特徴を分かりやすく、相談者に伝え、選択を誤らないように導く。その際、行政としての公平性を守ることは当然ですが、単にカタログを並べたような説明に終始するのではなく、相談者の立場に立ったコンサルティングとなるよう、一定踏み込んだアドバイスを行うことを想定している。
・また専門家による相談体制とともに、区民のネットワークによる支援も有効と考えられる。既に太陽光パネルを設置した区民の体験談や設置に関する留意点等のアドバイスは、これから設置する区民にとってたいへん参考になると思う。こうした情報を収集し相談に活かすことにも取組む。

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◎通学路の安全対策について

◆ひうち質問
今年度当初に、登下校中の痛ましい事故が続いたことから、この間、私はハード・ソフトの両面にわたって、通学路の安全対策を訴えてきた。文部科学省・国土交通省・警視庁の三者がようやく連携し、夏休み中に緊急合同点検が実施された。
第3回定例会の私の質問に対し、緊急合同点検について、9月の時点では途中経過というだったが、現在の実施状況と、点検の結果どのような危険箇所があったか、まず2点伺う。
また、決算委員会の答弁では、区では、緊急合同点検の結果を受け、できるところから、危険箇所の対応を始めているということだが、すぐに実施できる対策のほか、対策に時間がかかるものもあると思う。そこで、今年度は、どのような対策を行ってきたのか、また、来年度以降の整備の予定ついて、伺う。

答弁:
・通学路の緊急合同点検を受け、区では、より安全性の高い通学路とするため、今年度、整備が可能な箇所から、カラー舗装の実施や、車のスピード抑制を促す注意看板等の設置など、順次、交通安全対策を進めてきた。
・合同点検の結果、区立小学校の通学路において、区が対策を実施する箇所は、138箇所。このうち、今月中には、全体のおよそ6割にあたる、82箇所の安全対策を完了させる予定。
・一方、区単独で対策がとれるもののほか、信号機や横断歩道の設置に伴う歩道改修など、交通管理者である警察と調整のうえ、進める対策もあり、実際の工事着手までに、時間がかかるものもある。今年度、整備できなかった箇所については、来年度、できる限り早期に工事に着手する。
・また、ハード面での対策が困難な箇所については、警察署の助言を受け、安全マップを利用し、安全教育をより一層強化するなど、ソフト面から独自の取り組みを行っている学校もある。今後も各所管と連携を図り、通学路の安全対策を進めてまいる。

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◎自転車シミュレータの活用

●取り上げた理由
・自転車が安全で快適に利用できる環境づくりのためには、自転車利用者が自らルールを守り、そのマナーが向上していくことが最も大切な視点である。
自転車事故が増えている現在、自転車安全教育は、自転車が走行できる環境の整備(自転車専用レーンの整備)とともに重要である。
・交通安全は、一日で達成できるものではない。今後、様々な手法や参加しやすい方式、工夫した手法で、粘り強く継続して取り組んでいくべき課題である。

●現在区で行っている自転車安全教室
・講話型の交通安全教室や講習会
・DVDを活用した講習会
・スケアードストレイト(事故再現型)の安全教室

◆ひうち質問
現在、区は様々な手法で自転車安全教室を実施しており、その中で特にスケアードストレイト方式の安全教室は、実際に目の前で事故を再現しており、抑止力といった面から効果が高いと思う。
しかし一方で1回の予算も30万円弱と高価であり、広い場所を要することから機会が限られてしまい、現在の年18回以上増やすことは予算の面からも、厳しいと考える。
そのような中、新たな手法として、自転車シミュレータを活用した講習会が有効である。この自転車シミュレータは、体験型で、自転車に乗りながらペダルをこぐと、実際にモニターに映した画像が動き、道路などを運転している状況が体験できる、というものであり、駐車車両があったり見通しの悪い交差点などの走行を疑似体験できるということで、自転車のルールの周知とともに、危険予知能力を高めることができる。
またプロジェクターで投影することにより、多人数での研修にも活用でき、一定程度の人数の講習会には、かなり有効な手法と考えるが、区の見解と実施の可能性について、伺う。

答弁:
・スケアードストレイト方式による交通安全教室は、参加者から「ルールを守る重要性を認識できた」という声もいただいており、大変効果的な手法と考えている。しかし経費的な面などから、今後、大幅に回数を増やすことは困難である。
・そのような中、自転車シミュレータによる交通安全教室は、参加人数の規模によっては大変有効な手法と考えている。
・現在、自転車シミュレータは、東京都が保有し、区市町村等が実施主体となる交通安全教室などに貸し出しを行っていることから、今後は、スケアードストレイト方式による交通安全教室を継続するとともに、自転車シミュレータを活用した自転車の安全教育の実施についても検討してまいる。

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◎車のドライバーへの自転車教育について

◆ひうち質問
平成23年度以降、警察庁が自転車は軽車両であり、車道通行を徹底していく方針を打ち出したことから、車道を走る自転車も増えている。しかし、今まで自転車は歩道走行が当たり前であったことから、自転車が車道を通行することを自転車利用者に教育啓発するともに、自動車のドライバーに対しても、自転車の走行について、教育することが大切。
平成23年の都内での乗用車対自転車の事故は29%となっており、これは乗用車対乗用車との24%より多くなっている。
今後、自転車の動きを理解した車の運転により、車道において、自転車と自動車の共存をスムーズにし、車道をシェアリングしていかなければならないと考える。
そこで地元警察と協力し、まずは自転車利用者への安全対策が重要だが、車のドライバーに対する自転車教育も必要と考える。見解を伺う。

答弁:
今後は、これまでの取り組みに加えて、免許取得時や更新時における自転車関連教育の充実を警察に依頼してまいる。また、「自転車安全利用五則」や「世田谷区民自転車利用憲章」のポスターやリーフレットを運転免許更新所で掲示・配布してもらうなど、自転車が安心して車道を走行できる環境を整えるため、警察と連携しながら取り組みを充実してまいる。

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◎わかりやすい基本構想の策定について

●取り上げた理由
・平成23年度の地方自治法改正で、基本構想の策定の義務付けが撤廃となり、各自治体の自主性に委ねられるようになった。
・今後、世田谷区の将来像をきちんと描いて長期的な目標を策定し、それに従い、出来るだけ具体的な目標を短期的に策定していくことが、今後ますます重要と考える。
・そういった意味で、26年度に切り替えを迎える基本構想の策定は、大変重要なものとなることはいうまでもない。

◆ひうち質問
今回の区民意識調査では、残念なことに、基本構想自体を知っていらっしゃる方は23.8%といったように、低くなっており、あまり関心が高くないことがわかる。というのも、この要因は、基本構想というのはその性質上、どうしても抽象的になりがちであるからである。
例えば東京都は、「2020年の東京」と題し、8つの目標を掲げ、その目標を達成するために12のプロジェクトを明記し、数値目標を設定してかなり具体的に書かれている。また、佐賀県武雄市では「10年後の武雄市の未来を描く」と題し、紙芝居を使って事業ごとに目標を絵にしてイメージしやすく描いており、子どもたちでも親しめるようにしている。
また、23区でも、品川区では、5つの都市像を図にして掲げ、それぞれの像をグラフや写真を使って、イメージしやすくしているし、大田区や練馬区も、コンセプトがわかりやすく、明確に書かれている。
このように、他自治体の例も参考にしながら、基本構想策定の段階から区民の方に参加していただき、区民の方がイメージしやすい基本構想の策定を目指し、認知度を高めていただきたいと考えるが、見解を伺う。

答弁:
・新たな基本構想は、区民、行政、事業者等が共有する「公共的な方針」として策定することを目指しており、区民の一人ひとりに自分のこととしてとらえていただくため、「わかりやすい」ということは大変重要なポイントであると認識している。
・こうしたことから、まず、策定にあたっては、区民参加の取り組みや、策定過程の公開に努め、参加と共有のプロセスを築くことが大切であると考えており、区のおしらせ「基本構想策定特集号」では、これまでの議論や、区民参加の取り組みを紹介し、区民の皆さんの関心を高めるとともに、「世田谷区が目指すべき姿」などへの共感度を図るためのアンケートも実施している。
・基本構想に関する答申の取りまとめに向け、現在、基本構想審議会で、熱心な議論が交わされており、この中では、骨格となる将来目標の項目などとともに、区民の皆さんによりわかりやすい基本構想とするための構成や見せ方についても様々な意見が出されているところである。
・区としても、審議会の議論を尊重しながら、区民の皆さんに共感していただける基本構想の策定に向け、取り組んでいく。

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